2000年10月19日木曜日

出港直後にエンジン停止

2000年10月15日夜にサイパン・スマイリー港を出港し、16,17日の2日間、アナタハン沿岸でダイビングを行いました。
出航日の夕刻、サイパンは北島ツアーを祝うかのように綺麗で雄大な夕焼けに飾られました。2~3日前から三々五々サイパン入りしていたメンバーはこの日で全員が揃いました。午前中には北島でのダイビングを想定し、バディシステムの再確認やフロートの使い方の復習など、ダイビングの基礎に戻った訓練をオブジャンビーチで行いました。
15日(日)午後11時30分、スマイリー港を出港です。北島列島アナタハンを目指す「7人の侍」は、少々興奮気味。最近では”ダサイ”などと言って、めったに撮らなくなった「集合記念写真」にも、ためらいいなくおさまるメンバーたちでした。 万が一の事があれば二度とサイパンの地を踏むことは無いだろうなどとは誰一人考えていなかったことは推察に難くありません。
満月に見守られた航海は順調で、出航直後には皆で「出航祝い乾~杯!」でした。かなり遅い時刻まで、それぞれが北島への熱い想いを語り胸を膨らませ、ビールで腹も膨らませたものでした。月明かりの海は想像以上に明るく、遥か遠くの島影まで見えていました。いつの頃眠りについたかは誰も記憶していません。でも、深夜にエンジンが止まってしまった事は誰もが覚えていました。たいしたトラブルではなく、ベルト交換で簡単に復帰、ホッと安堵の寝言で済みました。

2000年10月18日水曜日

野生的教育?

16日(月)午前6時、アナタハンに到着。船の揺れと物音で目が覚めると、船長が若いボートスタッフ二人を「ヤシガニを獲ってこい」と島に上陸させていました。桟橋も無い無人島、大きくゆれる船体、普通の人はとても上陸できるような環境ではありませんが、彼らは難なく島に渡って行きました。その後彼らは一昼夜島に置き去りです。日中に仕掛けを作り、夜、穴から出てくるヤシガニを獲るのだそうです。
アナタハンは、切り立った断崖と急斜面の山が海岸に迫る、見るからに火山島といった荒々しい風貌でした。所々にこのような岩が海面に突き出ており、強い波に洗われていました。小魚を狙う鳥たちも生息しており、サイパンのバードアイランドを思い浮かべた人もいたようです。

車のようにはいかないよ
その島を眺めに上のデッキに上がってみると、なんと「怖いですねぇ、恐ろしいですねぇ!」船長は海を眺めており、我らのメンバーの一人が操船しているではありませんか。もう島影に入り穏やかな処を低速で進んでいるとはいっても、見てしまうと千鳥足で進んでいる船体を感じてしまうのでした。釣り好きの船長は、朝飯前の釣りを始めました。冷凍イカを小さく切って餌にします。入れ食いで”オジサン”やら”カワハギ”などが面白いように釣れていました。
釣り好き船長
この日の朝食は煮物とご飯、みんな疲れているのか寝ぼけているのか、食べたり食べなかったり。また、自分で準備してきたインスタントスープを作る者もいれば、緑茶のティーバッグをコップに入れたまま飲んでいる者もいました。船長がくれたモンキーバナナ、おいしかったよ。食後は暫くのんびり過ごし、船長のサジェスションを受けながら最初のダイビングポイントに向かいました。  

2000年10月17日火曜日

ポイント名:バスタブ前

水中探索から戻る元気者たち

船長に指示を出すカシラ



















良きポイントに来ると、魚探で水深を確かめ、50m程おきに3人の元気なメンバーをボートから降ろしてゆき、スキンで海中を観察してもらいました。5分程したらまたボートが巡回して彼らをピックアップ。観察結果を基にエントリーポイントや移動方向・エクジットポイントなどを決め、一休みしてから機材を装着しダイビングの開始です。
1本目:バスタブ前に命名

1本目のポイントは「バスタブ前」です。広く浅いポイントですが、切り立った断崖が水中まで続いているような所もありました。何処から漂着したのか、誰かが捨てていったのか、海岸の石畳の上にプラスチック製のバスタブがポツンと場違いな感じで置かれていました。

 
 

ナポレオン、ウミガメに出会いました


水温   30度   透明度 30m
最大水深 21m  平均水深 12m
潜水時間 45分
 
 
 








アナタハン全体に言える事ですが、水中は大きな岩がゴロゴロしており、その岩に珊瑚が付いた模様です。多種多様な魚がいましたが、ギンガメアジの大渦とかエイの軍団などと言えるような特徴的な魚影は見られませんでした。
急峻な山並みが水中まで続いており、
まるで『水中登山隊』のようです。
ミニ沈船ポイントも発見、サイパンのそれの
50分の1以下の、本当に小さな船の残骸でした。

2000年10月16日月曜日

ハナゴイドロップオフ

2本目 命名 ハナゴイドロップオフ
クマザサハナムロやウメイロモドキの群れ
カレーライスの昼食後、2本目のポイントへと向かいました。垂直の深いドロップオフでハナゴイが棲みついていたところから、このように名付けました。このドロップオフの上、-10m程の棚で待っていると、まるで魚が湧いてくるように、次から次へとやってきました。

水温 30度     透明度 30m
最大水深 19m  平均水深 12m
潜水時間 46分
クマザサハナムロは流れるように泳ぎます。

2000年10月15日日曜日

フィッシングタイム


我々のダイビングが終わると、次には船長お待ちかねの『釣り』タイムがやってきました。船長がピンポイントで狙った場所に移動です。船尾の両側に竿をセットし、水深は260m、電動リールをセットし釣り糸を落とします。糸が底に着いたか着かないかというタイミングでもう当りです。糸を手繰り始めますが竿が相当しなっており、大物が期待できそうです。後半は電動リールが唸りをあげ、喘ぎながらの巻取りです。あがって来たのは1m以上もあるオナガダイ、しかも5~60cmのものも加えて3匹も掛かっていました。もう一方の竿にも当たりが、こちらも1m程のオナガダイ+αでした。一度に大物が5匹もあがって来る様子に、我々ダイバーは口をアングリと開けるばかりでした。

高級魚のオナガダイ(高い値段で売れるのだそうです)を一気に釣り上げた満足感を胸に、今夜の係留ポイントへ移動です。短い移動中も2本の糸を流していましたが、ここでも1mクラスのキハダマグロ、サワラ、バラクーダなどが釣れました。
釣ったキハダマグロは、夕食時刺身にしてもらいました。慣れたワサビ味は勿論のこと、醤油に地元産のレモンを絞り唐辛子を加えたチャモロ風味もなかなかのものでした。また、これを軽く火であぶりタタキ風にしていただくのも結構な食感でした。興奮覚めやらない我々は、夕食後も船長の釣りに付き合い、イソマグロやカッポレなど面白いように釣れてくる様子を楽しみました。2m程の鮫も懸かってきましたが、これは糸を切って逃げてくれたので、みんなホッとしました。

2000年10月14日土曜日

天狗岩















     3本目 命名 天狗岩(左の写真)
     海面から突き出た天狗の鼻に見える?


17日朝、昨日ヤシガニ獲りに行った若いボートスタッフ二人が戻ってきました。収穫は3匹だけ。直前にもヤシガニ獲りが入島したようで、思った成果が上がらなかったようです。椰子の実をたくさん取って来ました。朝食は即席麺、疲れた胃袋にはちょうど良い柔らかさでした。
水温  32度   透明度 30m
最大水深 10m  平均水深 6m
潜水時間 50分
浅くて明るいポイントです。下の写真のように、丸みを帯びた大きな石がゴロゴロとあちこちに積み重なっていました。この石と周辺の岩とがうまく調和して、『奥の細道』と呼びたいような、水中街道が出来ていました。メンバーの誰かが、この街道の探索を楽しみ、水中なのにレギを外して大声で「一句」詠んだ者がいたとかいないとか・・・。
また、シャコ貝が多く、その貝柱の味を知っている者は、よだれを流しながらのダイビングになりました。
  浮上するときは、このようにカシラがフロートを準備し海面に打ち上げます。それを合図に皆が集まり、安全停止後海面に出ると、もうそこにはボートが待っていてくれるという按配になっていました。楽チン快適ダァ~!!

2000年10月12日木曜日

ウェイトベルトポイント


    穴の前は綺麗な砂利道           ポツンと一塊だけのサンゴ

二日目の昼食は、昨日釣った白身魚とヤシガニのスープでした。ジュースを飲み終わった椰子の実を茶碗に加工し、これにご飯とスープを入れて食べるのは、本当に美味しかった。蟹味噌も新鮮でした。また、椰子の実の内側にある白身も、山葵醤油で食べると新鮮な烏賊のように思えました。
4本目 命名 ウェイトベルト
それを忘れてエントリーした者がいたのです。ボートはかなり離れてしまっていましたが、水面で手を振るとすぐに気付いて戻ってきてくれました。ウェイトを渡してもらって事無きを得ました。
水温   30度    透明度 30m
最大水深 20m   平均水深 12m
潜水時間 46分

洞窟から出てくる         垂直の壁            1人も気持ちいい

ポッカリと開いた洞窟があったので入ってみました。中は真っ暗、ハタンポが群れていました。洞窟の入り口は両側が垂直に切り立った崖、底にはまるで人間が土木工事をしたように綺麗な砂利が敷き詰められていました。




沖の方へ向かうと徐々に深くなってゆき、30m付近の中層にナポレオンがいました。15m近辺ではウメイロモドキの小集団が泡を吹く魚に驚いたのか、右に左に忙しく移動を繰り返していました。