2003年6月24日火曜日

サリガンとジランダ礁へ



2000年、2001年と続いた北島ダイビングツアーだったが、昨年はスケジュールの都合がつかず流してしまった。今年こそはと早くから日程を調整しての北島ダイビングとなった。目指したのはサリガン島とその近傍のジランダ礁である。サリガンは、サイパンの北150Km、東西南北2.5Km、死火山の小さな島である。ジランダ礁は、更に北へ20Km行った所にあり、かすかに水面に顔を出し波に洗われる、数百メートル離れた二組の岩である。我々は、二組のうち西側の岩に向かった。














2003年6月20日21:30、我々を乗せたスーパーエメラルド号は、滑るようにスマイリー港を出港した。ほぼ真南の水平線上にある南十字星に見守られながら坦々と北へ進路をとった。
  まず、目指すはサリガンを通り越してのジランダ礁である。サリガンもジランダも、詳しい情報が無いポイントである。幾度か通ったことがあるという船長の示唆と汐見が唯一の頼りであった。

2003年6月23日月曜日

潜水前の下見調査


6月21日7:30、ジランダ礁に到着。あいにく相当流れており後日また来ることにしてサリガンへ引き返すことにした。来る時もサリガンを真横に見てきたし、ジランダ礁からはサリガンがハッキリとすぐそこに視認できるので、時間の無駄を嘆く声は無かった。サリガンには程なく着き、食欲旺盛なメンバーの腹を満たすべく、まずは昼食をとる事にした。昼食後、最初の作業はポイントの探索である。ボート上から目星を付けておき、小型ボートを降ろして更なる水面からの観察である。

探索の結果、(1)命名『テン・ポイント』に潜ることにした。ここは、アナタハンにも見られるような、巨大な岩がゴロゴロと転がっている火山島特有の水中景観であった。潜行後流れが出てきて人間は苦労していたが、群がる魚たちは元気一杯はしゃぎまくっていた。






次に潜ったのが(2)命名し忘れたポイントである。岩や崖・くぼみなどダイナミックな地形が楽しめるポイントだった。やけにシャコ貝が目に付いたというメンバーもいた。この日は、午後の2ダイブということで終わった。翌日、思いもよらない大事件に遭遇しようなどとは、誰も予期しないまま楽しい晩餐に臨んだのであった。

2003年6月22日日曜日

ジンベエザメとの遭遇


それは22日、2本目のダイビングで起こった。思いもよらない『ジンベェとの出会い』である。2日目は、ポイントをず~と南に移し、珊瑚の海域に決定。(3)命名『ミラクル・コーラル』。潜行してみると、素晴らしく珊瑚が発育しているポイントだった。ハナダイをはじめとする小魚たちが珊瑚に絡まり濃い群れを作っている。その上ではギンガメアジ・バラクーダがゆっくりと旋回を続けていた。



感動覚めやらぬ我々は、もう一度同じポイントでダイビングをすることにした。その2本目、その時に奇跡が起こった。
  ダイバーなら誰もが夢見るジンベィとの出会い、期待も予想も無いままに起こった出来事は奇跡と呼んでもいいだろう。我々の喜びと驚きは空前絶後、誰もがレギを吹き飛ばす勢いで『ジンベィ』と叫んでいた。




みんなが一様にこれ程までに興奮したダイビングがあっただろうか。ボートに上がっても、皆声がうわずり落ち着きを無くしていた。まだ日没までは時間があった。再度ここに潜ろうと決めたことは、想像に難くないであろう。焦ってはいけない、休憩も取らなければ、と知りつつも、何故かいつもより手際よく機材のセッティングをしているメンバーたちであった。





ここでの3本目、誰も口には出さないが”柳の下のどじょう”ならぬ”珊瑚の上のジンベィ”を期待していた。








相変わらす珊瑚と小魚たちの絡み合いは美しく、根に沿ってゆっくりと移動する我々を見つけたかのようにギンガメアジとバラクーダが寄って来た。でも、ジンベィの再来は無くその日のダイビングを終えた。

2003年6月21日土曜日

ジランダ礁~サリガン~アナタハン



6月23日、3日目の朝になった。疲れているはずなのに皆早起きだった。この日は、念願のジランダ礁行き、船長とカシラの潮予測で、早めの出航になったためだ。










初日の朝と同じ場所にボートが着いた。カシラとひょっとこがスキンで飛び込み水中を視察、『イケル』と判断、船長は『30分後に流れ出すからそれまでに帰って来い』と言った。







胸躍らせながら9:30潜行開始。沿岸でのダイビングには慣れてはいても、島から20Kmも離れた大海の真っ只中でのダイビングは少し緊張した。
  水中は、切り立ったドロップオフ、底は40~50m、崖に沿って中層をゆっくりと移動した。少し進むと、柱を立てたような太い円柱の岩が2本あり、皆で棒倒しゲームを楽しんだ。




サメが多い場所であった。サメ好きのダイバーにはたまらないポイントだろう。クロハギが壁沿いに群れており、チョウチョウウオなどもやってくる。岩の窪みで寝ているサメの周りには、ベニマツカサが群れていた。
  潜水時間が30分に近づき、アンカーロープを伝って水面に向かった。もう流れ始めており、船長の潮汐予測に敬服。




船長は『ジランダで潜ったのは君らが初めてだよ』と言った。真偽を確かめる術は無いが、誇らしくも感じたダイビングであった。ここでのもう一本は無理と判断し、再度サリガンに戻ることにした。
  サリガンに戻った我々が目指したところは、言うまでも無く”ジンベィポイント”であった。この一本が今回のツアーの最後とあって、それぞれが自分の気持ちの締めくくりをしたことでしょう。
6月23日14:00、別れを惜しみつつもサリガン島を後にした。

  帰途、5月10日以来噴火が続いているアナタハン島の間近を航海してもらった。この島こそ、2000年、2001年と、我々が北島ダイビングツアーに選んだ島だ。そのアナタハンは、島全体が火山灰に覆われ灰色一色、透明だった沿岸も濁ったコバルト色に変わっていた。当分、ダイビングも釣りも出来ないであろう。早く噴火が止み、自然の回復を願うのみであった。

  23:00、スマイリー港に帰着。撤収作業後、クラブハウスで『乾杯!』となった。
写真撮影 : おのじ
       神様
       毬藻
       (お)組のカシラ
執筆・構成: 焚き火塾長
企画   : オーシャンクラブ
ジランダ礁のダイビングのビデオ

2003年6月20日金曜日

動画:ジーランディア

ここで潜ったのは世界初かもしれません(レジャーでは。ほんとレアー?)